記事一覧

論文クラシックス #001:Glycemic index of foods(Jenkins et al., 1981)
「炭水化物は全部同じ」——この常識を崩したのは1981年の62食品の血糖測定実験だった。Jenkins らが数値化した「グリセミックインデックス」は、なぜアイスクリームが白パンより血糖を上げにくいかを初めて説明した。40年後の評価と現代への影響を論証する。

オートミール30g×3食は骨格筋グリコーゲンを充填できない:ベータグルカンの恩恵とグリコーゲン充填の非両立
オートミール30g×3食の糖質54gは、骨格筋グリコーゲン充填に必要な糖質の7〜13%に過ぎない。「健康的な朝食」と「グリコーゲン充填」は目的が異なる。ベータグルカンの恩恵を活かしつつ、炭水化物を周期化する戦略を論証する。

グリコーゲンの二重構造:肝臓と骨格筋でまったく異なる役割・動員・補充の生化学
肝臓グリコーゲンは8時間の睡眠中に約半分が消費され、骨格筋グリコーゲンはその隣で一切手放さない。「中央銀行(肝臓)」と「部署専用予算(骨格筋)」という二重構造が、なぜ朝食に科学的根拠があるかを説明する。

魚はグルコースを処理できない:脊椎動物とグリコーゲン代謝の進化的多様性と活け締めの生化学
魚はグルコースを効率よく処理できない。インスリン応答が弱く、血糖クリアランスが哺乳類の数倍遅い「グルコース不耐性」は病態ではなく、炭水化物の少ない水中環境への進化的適応だ。活け締めの旨味保全まで、グリコーゲン生化学で読み解く。

うどんはカーボローディング食材として何点か:小麦デンプンのアミロース構造・GI62の実践的意味・競技前食の選択基準
パスタのGIは42、うどんは62。「競技前日ならパスタ、当日ならうどん」という組み合わせは、感覚や文化ではなくデンプン構造と消化管生理学の帰結である。うどんが競技前食として何点かを科学的に検証する。

エアロバイクの科学:ランニングとは異なる筋収縮様式・グリコーゲン動態・神経適応から読み解く「室内サイクリングの生理学」
週3〜4回10kmを走れるランナーが、エアロバイク40分で大腿四頭筋に乳酸を感じる理由は「衝撃ゼロの純粋な持続収縮」と「筋原線維内グリコーゲンの選択的枯渇」にある。サイクリング研究60年とグリコーゲン分子生物学が示すクロストレーニングの根拠を解説する。

抗IL-31受容体A抗体ネモリズマブ(ミチーガ®)の臨床薬理:「痒み専用サイトカイン」の発見から48時間以内の即効性・結節性痒疹制覇まで
IL-31は「Th2細胞から知覚神経へ直接作用する痒み専用サイトカイン」であり、その受容体を抗体でブロックすることで投与後48時間以内に痒みが止まる。ネモリズマブ(ミチーガ®)が証明したitch-first戦略と、難治性結節性痒疹への突破口を論証する。

AhR活性化薬タピナロフが証明した「薬を止めても効く」外用治療:石炭タールの謎から皮膚バリア再構築とエピジェネティクス制御まで
外用薬で「薬を止めても4ヶ月間寛解が続く」という現象(Remittive Effect)が報告されたのは、AhR活性化薬タピナロフが初めてだ。石炭タールの謎を解いた2013年の論文から、エピジェネティクスによる免疫記憶リセットまで、非ステロイド外用治療の到達点を論証する。

外用PDE4阻害薬の確立と拡張:cAMPシグナルの調整という非ステロイド戦略とロフルミラストが開いた地平
ステロイドの副作用を避けたい患者に、外用PDE4阻害薬は「cAMPという炎症のボリュームつまみを維持する」という全く異なる作用機序を提供する。1日1回・乳幼児から・間擦部でも使えるロフルミラストが塗り替えた非ステロイド外用治療の現在地を論証する。

外用JAK阻害薬がアトピー治療を変えた:JAK-STATシグナルの精密遮断から小児適応・難治皮膚疾患への展開まで
外用JAK阻害薬は「全身性の副作用警告が適用されない」ことを薬物動態で担保しながら、翌日から痒みを止める。JAK-STATシグナルの末梢神経への直接遮断が、従来の抗炎症薬とは異なる即効機序を生む理由を論証する。




