週刊たなおろし医療時評 #006:【厚生労働省】64年目の「大麻撲滅運動」、なのに検挙6,342人・7割が30歳未満という現実

「不正大麻・けし撲滅運動」を5月1日から実施します

3行まとめ

  • 厚労省と都道府県が5/1〜6/30、不正大麻・けし撲滅運動を展開。昭和35年(1960年)から毎年実施の恒例行事。 厚生労働省
  • 令和6年の大麻事犯検挙者数は6,342人。うち30歳未満が72.5%を占め、若年層の大麻使用が深刻化。 厚生労働省
  • 啓発手段にSNS活用を明記したが、植物除去と通報受付が依然として対策の軸。 厚生労働省

💉 毒舌メタコメント

昭和35年──1960年から64年間、毎年5〜6月に「撲滅運動」を展開してきた結果が「6,342人検挙・若者7割」である。この数字は撲滅運動の成果を示しているのか、それとも限界を示しているのか。どちらであれ、同じ処方箋を64年間繰り返すことを「運動」と呼ぶのには少々勇気がいる。

根本的な問題は、この施策が「供給側(植物)の除去」に最適化されている点だ。野山に自生するけしを抜き取ることは確かに重要だが、検挙者の72.5%が30歳未満という数字が示すのは、問題の核心が「需要側」──若者の意識・入手経路・社会的文脈──にあるという現実である。草を抜いても、スマホからの注文経路は抜けない。

「インターネット・SNSを活用した啓発」とわざわざ明記したことは評価したい。が、その内容が「通報受付体制の整備」であることに気づいた瞬間、その期待は静かに萎む。SNSを使って若者に届けるべきは「通報の勧め」ではなく、依存リスクの実態や回復支援へのアクセス情報ではないか。

令和の大麻対策に必要なのは、64年目の撲滅運動ではなく、ハームリダクションの視点を取り入れた需要側介入の強化だ。春に草を抜く前に、施策そのものを一度棚卸しする時期が来ているように思う。

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