週刊たなおろし医療時評 #014:18年ぶりの標榜科追加「睡眠障害内科」が示す、医療の「看板争奪戦」と学会の野望

たなおろし医療時評

18年ぶりの標榜科追加「睡眠障害内科」が示す、医療の「看板争奪戦」と学会の野望

医療法施行令の一部を改正する政令

たなおろし医療時評 | ISK 2026-06-08


3行まとめ

  • 医療法施行令の改正により、医療機関が広告・標榜できる診療科名に18年ぶりに「睡眠障害」が追加された
  • 単独での標榜は禁止され、必ず「睡眠障害内科」のように既存の主要診療科と組み合わせて表示するルールとなっている
  • 多くの診療科にまたがる睡眠治療の窓口を一本化する大義名分の裏で、クリニックの差別化と関連学会のプレゼンス獲得への野心が渦巻く

💉 毒舌メタコメント

日本人の5人に1人が睡眠に関する悩みを抱える中、約18年ぶりに標榜可能な診療科名が追加されたというニュースは、一見すると患者ファーストの画期的な改革に見える、しかし、単独で「睡眠障害科」を名乗ることを許さず、わざわざ「睡眠障害内科」「睡眠障害精神科」と既存の科名にしがみつかせる妥協案には、医療界特有の縄張り争いが見て取れる

そもそも睡眠障害は、呼吸器内科(SAS)、精神科(不眠症)、耳鼻咽喉科など、複数の診療科がまたがる境界領域だ、これを一本化して分かりやすく見せるという建前だが、実際には「どこの科が睡眠障害の主導権(パイ)を握るか」という標榜の看板争いであり、ロビイングを仕掛けた日本睡眠学会の学術的権威を誇示するための政治劇にすぎない

この規制緩和によって、駅前の雑居ビルには「睡眠障害〇〇科」を掲げた小綺麗なクリニックが乱立し、健康経営やスリープテックといった予防医療ビジネスとの蜜月が加速するだろう、だが、患者が本当に求めているのは「看板の掛け替え」ではなく、薬物依存から脱脱却するための本質的な行動療法だ、ネオン輝く「睡眠専門」の看板が、単なる安易な睡眠薬処方箋の量産工場にならないことを祈るばかりである


たなおろし医療時評 | 2026-06-08

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