たなおろし医療時評:レケンビ皮下注承認と「在宅シフト」の幻想

たなおろし医療時評:レケンビ皮下注承認と「在宅シフト」の幻想

厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会(2026年8月26日開催)にて 早期アルツハイマー病治療薬「レケンビ(lecanemab)」の皮下注製剤(オートインジェクター)の承認可否が審議される

たなおろし医療時評:レケンビ皮下注承認と「在宅シフト」の幻想

従来の2週間に1回・約1時間の点滴静注(IV)から 自宅やクリニックで数秒で投与可能な皮下注(SC)への移行は「通院負担の激減」「ケモ室占有の解消」と大絶賛されている

しかし これは現場の医療構造を無視した行政とメーカーのポピュリズムに過ぎない

点滴が皮下注に変わろうとも 投与前のアミロイドβ確定診断(アミロイドPET/CSF検査)と 投与後のARIA(脳浮腫・微小脳出血)モニタリング用定期脳MRIという画像診断インフラのボトルネックは1ミリも解消されない 結局 PETやMRIを回せる基幹病院へのアクセス集中は変わらず 開業医や在宅医が気軽に処方できる環境など存在しないのだ

年間数百万円レベルの超高額製剤を自宅で冷蔵保管・自己注射させるトラブルリスクと 頭痛やけいれん等のARIA発症時の緊急対応責任だけが地域の現場に丸投げされる 「在宅で手軽に」という甘いPRの陰で インフラ放置と現場への責任転嫁が静かに進行している

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