トマト(Solanum lycopersicum)

植物図鑑 BZ046

医スク学術体系 | ボタニカルサイエンス 図鑑 BZ046 Last updated: 2026-05-18

トマトの果実(Softeis / CC BY-SA 3.0)


基本分類

項目 内容
和名 トマト
別名・流通名 唐柿(とうがき)、赤茄子、蕃茄(ばんか)
ラテン名 Solanum lycopersicum L.
英名 Tomato
ナス科(Solanaceae)
ナス属(Solanum
染色体数 2n = 24
原産地・分布 南米アンデス山脈周辺(ペルー・エクアドル)。現在は世界中で栽培
生活型 多年生草本(栽培上は一年草扱い)
栽培化の時期 アステカ文明期(〜16世紀)。日本伝来は17世紀初頭(当初は観賞用)

形態の特徴

  • :緑色で短毛が密生、特有の青臭さあり(トマチン由来)。木質化しうる
  • :奇数羽状複葉。小葉は不規則に鋸歯
  • :黄色の車形花冠(6枚花弁)。雄蕊が合着して黄色い筒状になる自家受粉型
  • 果実:複漿果(ふくしょうか)。隔壁で複数の部屋に分かれ、ゼリー状の胎座に種子が埋まる
  • リコピン蓄積:成熟とともにクロロフィルが分解され、赤色カロテノイド(リコピン)が蓄積。加熱・油脂で吸収率が大幅に上昇
  • :不定根を出しやすい。土寄せで節から発根し、養分吸収面積が拡大する

主要フィトケミカル・活性成分

化合物 分類 主な生理活性
リコピン カロテノイド(赤色) 強力な抗酸化・前立腺がんリスク低減の疫学的示唆
β-カロテン カロテノイド 抗酸化・ビタミンA前駆体
クエルセチン フラボノイド 抗炎症・抗酸化
クロロゲン酸 フェノール酸 抗酸化・血糖上昇抑制
トマチン ステロイドアルカロイド 未熟果・葉茎に多い。成熟とともに減少
グルタミン酸 アミノ酸 旨味成分(うま味の主役)
ビタミンC 水溶性ビタミン 23mg/100g、加熱で減少

人との関係(利用・文化)

16世紀にスペイン人がアメリカ大陸から持ち帰り、当初ヨーロッパでは「毒草」として観賞用にとどまった(ナス科植物への警戒感)。イタリアでトマトソース文化が確立したのは18世紀以降。日本では江戸時代に「唐柿」として渡来したが食用普及は明治以降。昭和に「桃太郎」品種が登場し国内需要が急増した。「トマトが赤くなると医者が青くなる」はヨーロッパの格言。リコピンは加熱・油脂(オリーブオイル等)との組み合わせで吸収率が数倍に向上するため、トマトソース調理は理にかなっている。


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Photo credits: 1. Softeis / CC BY-SA 3.0 — via Wikimedia Commons

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