ニホングリ(Castanea crenata)
植物図鑑 BZ044
医スク学術体系 | ボタニカルサイエンス 図鑑 BZ044 Last updated: 2026-05-18

基本分類
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 和名 | ニホングリ(日本栗) |
| 別名・流通名 | クリ、シバグリ(野生種)、ヤマグリ |
| ラテン名 | Castanea crenata Siebold & Zucc. |
| 英名 | Japanese Chestnut |
| 科 | ブナ科(Fagaceae) |
| 属 | クリ属(Castanea) |
| 染色体数 | 2n = 24 |
| 原産地・分布 | 日本・朝鮮半島 |
| 生活型 | 落葉高木(樹高10〜15m) |
| 栽培化の時期 | 縄文時代(約9,000年前)から利用記録あり |
形態の特徴
- 葉:長さ8〜19cm、披針形、縁に鋭い鋸歯。葉脈が平行に走り、葉表は光沢がある
- 花:5〜6月に開花。雄花序(尾状花序)は長さ7〜20cm、上向きに伸びる。雌花は花序の基部に数個つく
- 花の匂い:スペルミン・スペルミジン(ポリアミン類)が主成分。虫媒花戦略として昆虫を誘引するための揮発性成分。「精液臭」と形容されることが多い
- 受粉戦略:雌雄同株だが雄花と雌花の開花時期をずらす(ヘテロダイコガミー)。自家受粉を避け遺伝的多様性を確保する
- 果実(いが):直径5〜8cmの球形、鋭い棘に覆われた総苞(イガ)の中に1〜3個の堅果。10月に熟して落下
- 樹皮:灰褐色、縦に浅く裂ける。タンニンを豊富に含む
主要フィトケミカル・活性成分
| 化合物 | 分類 | 主な生理活性 |
|---|---|---|
| エラジタンニン | 加水分解型タンニン | 収斂・抗炎症・抗酸化 |
| ガロタンニン | 加水分解型タンニン | 抗菌・収斂作用 |
| ケルセチン | フラボノイド | 抗炎症・抗酸化 |
| カテキン | フラバノール | 抗酸化・腸内細菌叢調整 |
| スペルミン・スペルミジン | ポリアミン(花) | 細胞増殖調節、花の匂いの主成分 |
| デンプン(アミロース) | 多糖 | 緩やかなグルコース放出(中GI) |
| ビタミンC | 水溶性ビタミン | 40mg/100g(柑橘類と同等) |
人との関係(利用・文化)
縄文時代の遺跡から炭化栗が出土しており、稲作以前から日本人の重要なカロリー源だった。葉・樹皮に含まれるタンニンは民間療法で漆かぶれ・火傷・皮膚炎に外用されてきた。果実は和菓子(栗きんとん・モンブラン)・渋皮煮・栗ご飯など食文化に深く根ざす。木材は耐水性・耐久性が高く、鉄道の枕木・家屋の土台・船材に使われた。クリ属8種の中でもニホングリは品種改良が進んでおり、「筑波」「丹沢」「銀寄」など多数の栽培品種が流通する。

関連記���
- ISK記事:準備中(B044 ニホングリの生化学)
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