週刊たなおろし医療時評 #009:OTC類似薬、ようやく保険外しへ——20年遅れた当然の話
風邪薬や湿布など"保険外し"で患者の負担増へ 医師が処方する『OTC類似薬』国会で改正案審議入り
3行まとめ
- 医師が処方するOTC類似薬・約1100品目の保険外しが国会で審議入り
- 改正後は現行の患者負担に25%特別料金が上乗せされる仕組み
- 方向性は正しい——問題は、なぜここまで20年かかったかだ
💉 毒舌メタコメント
今回の改正案、方向性は正しい。市販で買えるロキソプロフェンや湿布を「医師に処方してもらう」ことで患者負担を圧縮できる構造は、医療保険の設計として最初からおかしかった。この問題、中医協では2015年前後にはすでに俎上に上がっている。つまり10年以上「検討中」のまま棚上げされてきた。
なぜ遅れたか。処方する医師にとっても、調剤する薬局にとっても、OTC類似薬の処方継続は収益として都合がよかった。患者は「安く買える」、医療機関は「技術料がとれる」、薬局は「調剤料がとれる」。全員に短期インセンティブがある構造で、誰も率先して崩しに行かなかっただけだ。
「患者負担が増える」と共産党議員は反発するが、本来OTCで買うべきものを保険財政で肩代わりしてきたツケを、誰かが払わなければならない。20年間の不作為を棚に上げて「負担増」と叫ぶのは、議論の順序が逆だ。この改革を「アップデート」と呼ぶには、誰かがずっとアップデートを邪魔していたという事実を先に認める必要がある。

